かつお節について
日本の伝統食である「かつお節」は、職人の伝統の技によって旨味が引き出され皆様のもとへ届けられます。
かつお節の製造では、様々な工程を重ね、半年近くの時間をかけて作られています。その過程で「本枯節」と「荒節」などの種類に別れ、それぞれの風味を楽しむことができます。
かつお節ができるまで
- 1. 生切り・・・頭と内臓を取り除き、3枚におろします。
- 2. 煮熟・・・おろした身を熱湯につけます。
- 3. 骨抜き・・・皮や鱗、骨を取り除く。2枚の身を半分に。1匹の鰹から節は4本取れます。
- 4. 焙乾・・・身を燻し、水分を抜く作業。燻しと冷ましを10回以上繰り返します。
- 5.整形・・・削って形を整えます。
- 6.カビ付け・天日干し・・・カビ付けは1番、2番というように何回も繰り返し行います。
ここまでに半年近くの時間を要します。正に日本の伝統の技です。
焙乾は殺菌・香り付けの意味があり、また抗酸化力を高め、品質保持に繋がります。
カビ付けすることにより、旨味成分のイノシン酸の含有率がアップし、旨味を決定づけます。
また、カビは中性脂肪を分解するので、だしの透明度を高め、風味を良くする効果があります。
本枯節と荒節
かつお節には「本枯節」と「荒節」があります。
本枯節とは上記の1~6の工程を経て仕上がったもので、特に2番カビ以上のカビ付けをしたものを本枯節と言い、非常に上品な風味があります。
荒節とは上記の1~4までの工程でできたものです。力強い風味が特徴で、お料理のだし取りに重宝されます。
量販店などに置かれている「花かつお」などは荒節を削ったものが多いですが、最近では本枯節を削ったものも多く見られるようになってきました。
本枯節のものは価格も高めにはなりますが、荒節のものとは違って香りと旨みが深く、価値のあるものです。商品表示の原材料の所に「かつおのかれぶし」とあれば本枯節、「かつおのふし」とあれば、荒節の削り節です。予備知識として覚えておくと面白いですね。
かつお節の栄養
かつお節はカルシウム、リン、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンDなどを多く含んでいます。かつお節の美味しさの元は、イノシン酸とアミノ酸のよる旨味成分です。多くのアミノ酸も含まれており、かつお節を食べることによって上手に全てのアミノ酸を取ることができます。
また、かつお節の中に含まれるかつお節ペプチドは、血圧の上昇を下げる効果があり、高血圧の予防に役立ちます。併せて疲労回復効果や集中力を高める効果もあるそうです。
その他にも、骨も丈夫にする、血液の流れをよくするなどの効果もあり、かつお節のイノシン酸は新陳代謝の促進にも効果があり、免疫力の改善を促し、花粉症、皮膚炎などアレルギー症状の改善などにも効果があると言われます。
かつお節には多くの有効成分と栄養が含まれています。日本に昔から伝わる、正に健康食と呼べるでしょう。